第14回 11月13日(土) 出雲市斐川町 ミニトマト編

出雲市斐川町は、島根県の東部に位置し、出雲市内にある農業が盛んなところです。一方で大型スーパーやコンビニや高速道路のインターや空港などもあり、生活利便性が確保されながらも田舎暮らしを満喫できる場所です。本日は、斐川町産ミニトマト「ひかわの恵み」ブランドの魅力について詳しくお伝えします。

中継スタジオからは、“縁結びのまち出雲”の真っ赤なタペストリーをバックに左からJAの新宮さん、公社 司会の高橋、農業者を代表してJAしまね斐川施設野菜組合でトマト部会長を務めておられる周藤会長、出雲市の安食さんでお伝えします。

最初は、新宮さんより産地概要や栽培方法についてお話していただきました。

※産地ツア-出雲市斐川町説明資料(PDF)

実際にミニトマトを栽培しておられる農家の周藤さんにお話を伺いました。

Q ミニトマトの栽培規模について

A ミニトマトについては18a、その他に水稲と葉物野菜を組み合わせて栽培しています。

Q 経営の強みは?

A 地元のブランドとして浸透しており、量販店等で取り扱われているところです。

Q 栽培、経営する上で工夫や意識しているところは?

A 安心、安全、美味しいものということです。

Q もっとたくさん出荷して欲しいという市場の要望があるそうですが、そういった声は農家にも届いていますか?

A はい。トマト部会の中で年に2回、出荷協議会があります。その中で市場の動向を聞くので組合員と情報共有を図っています。

Q 斐川町でミニトマト栽培を新規に考えているみなさんにアドバイスや知って欲しいことがあったらお願いします。

A 部会員の連携はもとより、新規就農される方のサポート体制もしっかりできているので、お待ちしています。

Q どんな人材を求めているか、歓迎の声と合わせて一言お願いします。

A 本気で農業を考えている人、やる気のある方を歓迎します。一緒に頑張りましょう!

現地中継では、県農業部の角さんがミニトマト農家の玉木さんの取り組みをリポートしました。玉木さんは、平成26年にお父様の経営を引き継ぐ形で就農され、現在は40aのミニトマトの栽培に取り組んでいます。

Q 今の時期はどんな作業をしていますか?

A 主株のわきから出ている芽を取り除く脇芽かきの作業をしています。2日~3日のペースで行っています。この作業をすることで、風通りをよくし、病害虫の発生を予防したり、栄養分が分散されるのを防いだり実のつきをよくしたりします。

Q 病害虫の等の発生に困ることがありますか?

A 発生初期に発見を見逃してしまうと、1回の防除で防ぎ切れないので生育にも影響します。早期発見、防除を心がけています。

Q 経営を継承したということですが、どのようにノウハウを身につけられましたか?

A 親のお手伝い程度の作業しかしなかったので、ノウハウは全くなく始めました。実際に自分で経営をするとまるで違いました。そうした中でトマト部会や関係機関の方々に相談をしながらやっています。

Q ミニトマト栽培に取り組んで良かった点、苦労している点はどんなことですか?

A 良かった点は、自分の作ったミニトマトが店頭に並び、お客様の「美味しかった」の言葉にとても嬉しくなります。苦労している点は、思った通りにミニトマトが出来なかったり、よかれと思ってやったことが裏目に出たりすることです。

Q 今後の目標については?

A 栽培管理の確立、味や収量などの安定生産、作業のマニュアル化を進めていくことです。

Q 就農を考えている方にアドバイスをお願いします

A 農業で生計をたてることは、とても大変なことです。失敗すること、うまくいかないことも多々あります。自分の思い通りのミニトマトが出来た時は「嬉しい!」の一言です。

Q 産地ツアーの参加者にメッセージをお願いします。

A 出雲市は、平野で人口も比較的多く、生活圏域がまとまっている点は、農業に専念できる地域だと思います。また、全国から神様が集まるお膝元でもあり、今後、全国トップのミニトマトの産地になるように頑張っていきたいと思います。一緒にがんばりましょう!

ミニトマトの栽培方法は、土耕栽培と水耕栽培があり、玉木さんは、水耕栽培を主としています。苗の下の培地には水と肥料が入っていて、減れば適宜追加されるようになっています。土耕栽培と比べて初期経費がかかりますが、病害が広がりにくく、土づくりが簡素化できるメリットがあります。

~参加者のみなさんからの質問タイム~

Q 冬時期の作業のアルバイトについてはありますか?

A 兼業農家もいますが、ミニトマト栽培は、定植時期をずらすなどすれば、ほぼ通年作業があります。

部会のメンバーは、葉物野菜など他の品目を組み合わせて栽培している人もいます。

Q 定年はありますか?

A 60歳を過ぎて就農をすることは、十分に可能です。年齢制限はありません。補助金の制度については、年齢制限があることはご承知おきください。

Q 苗については、一度植えたものを10ヶ月使えますか?

A 接ぎ木苗を使用し、きちんと管理すれば十分にもちます。

Q 割れたトマトを目にすることがありますが、割れないようにするためにどのように防ぎますか?

A 割れるのは湿度のためなので、湿度がこもらないように早めの対応で換気を行うことで防ぐことができます。

以上、出雲市斐川町 ミニトマトの産地から就農情報をお届けしました。しまね農業体験プログラムでのご来県をお待ちしています!