第22回  11月5日(土) 出雲市斐川町 ミニトマト編

出雲市斐川町は、島根県の東部に位置し、出雲市内にある農業が盛んなところです。また、比較的まとまった平野が広がっていて、米、麦、大豆などが大規模に生産されている地域でもあります。
今回は、地元で愛される出雲市斐川町産ミニトマト「ひかわの恵み」の栽培方法や確立した出荷販売工程をご紹介しました。

左からJAの柳樂さん、本日の司会、島根県東部農林水産振興センターの角さん、JAしまね斐川施設野菜組合でトマト部会長を務めておられる周藤会長、出雲市の安食さんでお伝えしました。

最初は、柳樂さんより産地概要や栽培方法、スケジュールについての紹介です。

▶産地ツア-出雲市斐川町説明資料(PDF)

斐川町のミニトマトは『ひかわの恵み』というブランド名でほぼ全量を出雲大同青果という地元の青果市場に出荷しています。長きにわたって市場担当者と共に売り先を確保に取り組んできた結果、今は、島根県東部のスーパー等を中心に定番商品として取り扱われるようになりました。

▶ミニトマトの経営の特徴(PDF)

実際にミニトマトを栽培しておられる農家の周藤さんにお話を伺いました。

Q ミニトマトの栽培規模について教えてください。
A ミニトマトについては18a栽培しています。

Q 経営の強みは?
A 今の時代のニーズに合っているところです。

Q ミニトマトを栽培する経営する中で、特に工夫していることや意識していることはなんですか?
A 常に美味しいもの意識し、安心安全な作物を作る事を意識しています。

Q もっとたくさん出荷してほしいという市場の要望があるそうですが、農家にもそういった声が耳に入っていますか?
A トマト部会と出雲大同青果と連携をとっているので部会員全員に届いています。

Q 今後「ひかわの恵み」ブランドのミニトマトをどのように発展させていきたいですか?
A まだまだ出荷をして欲しいという声を聞く中で、今後、斐川町には大きな企業入ってきているため、人口も増えてこれからますますトマトの需要、消費が増えるだろうと思います。確実に伸びる作物だと思っています。

Q ミニトマトで新規就農を考えているみなさんにアドバイスなどあれば教えてください。
A 部会員全員で就農する人を支えていきます。安心して一緒にミニトマトを栽培していきたいと思います。

東部農林振興センター石川さん(左)、園主の玉木さん(右)

現地中継は、出雲市斐川町にある玉木さんのミニトマトのビニールハウスからお伝えしました。

Q 今、どんな作業に取り組んでいるところですか?
A 8月に定植し、先月から収穫が始まり、週に3回収穫をしているところです。

Q 病害虫の発生に困ることがありますか?
A 病害虫の発生はあります。早めに対応していれば良いのですが、病気に気付かなかったり、作業が後手後手にまわってしまうと、一回の防除で防ぐことができなかったり生育にも影響します。なので病害虫の早期発見、早期防除を心がけることが大切です。また、防除回数を減らす工夫として黄色の粘着テープ(▼写真)を使っています。

Q  お父様の経営の継承をしたということですが、当初からミニトマト栽培のノウハウを身につけていたのですか?
A 就農当時ノウハウはありませんでした。小さい頃から作業の手伝いを行っていたものの、自分で栽培、経営をしてみると全く違いました。まだまだ分からない事がたくさんありますが、トマト部会の先輩方やJAの方、県の普及員の方達に聞きながらやっています。

Q ミニトマト栽培に取り組んで良かった点は?
A 自分が栽培したミニトマトが店頭に並んでいるのを見たり、お客さまから「美味しい!」と言ってもらえた時です。

Q ご苦労されている点は?

A 思った通りに栽培が上手くいかなかった時です。天候、日々の管理、病害虫、作業量を全て掛け合わせた上の結果が現在のミニトマトの状態なのでいつも気が抜けません。

Q 経営の今後の目標について教えてください。
A 栽培技術の確立です。まだ栽培技術が未熟なので収量共に年間を通して安定生産ができるようにすること、作業のマニュアル化をしていきたいです。

Q これから斐川町にお越し頂き、ミニトマトで新規就農を考えているみなさんにアドバイスやメッセージなどお願いします。
A 農業をしていくことは、大変なことで失敗もあると思いますが、自分が思った通りにミニトマトができたときは「嬉しい!」の一言です。出雲市は平野で人口も比較的多く生活圏もまとまっていますので、農業に専念できる環境だと思います。皆さんと一緒に農業ができるのを楽しみにしています!

参加者のみなさんからの質問タイム

Q 何歳までなら就農できますか?
A 年齢制限は特にありませんが、ハウスなどの設備を用意し、資金を借りて行う場合には返済の事があるので、意識されたほうがよいかもしれません。

Q 空きハウスの状況は?
A 大規模栽培でのまとまったハウスについては、現在はありません。

Q 収量の大小を決定する1番の要因は何ですか?
A 日々の管理をきちんと毎日行うことです。技術より細かな管理をすることが大切です。

以上、出雲市斐川町 ミニトマトの産地から就農情報をお届けしました。しまね農業体験プログラムでのご来県をお待ちしています!