第13回 10月10日(日)吉賀町:有機農業編
吉賀町は、県の西南端の中山間地。町を流れる一級河川の高津川は、全国トップクラスの水質で、アユ漁が盛んに行われ、山間部の農地「大井谷の棚田」は日本棚田百選に認定されています。町内に高速道路のインターがあり、生活利便性が確保されながらも田舎暮らしを満喫できるところです。
この自然環境を守り健康で自給的な生活を送る「生き方としての有機農業」を目指し、地域をあげて取り組む吉賀町の有機農業についてご紹介します。
左から吉賀町役場の坂下さん、公社で司会の高橋、有機野菜農家の河野さん、島根県の藤原さんのメンバーでお伝えします。坂下さん、藤原さんより、産地概要、栽培方法、就農支援などについて説明していただきました。
Iターンして有機農業に取り組まれている河野さんからお話を聞きました。河野さんは、就農11年目。現在120aの農地で経営され、内30aは水稲、90aは露地野菜で年間30種類の有機野菜を栽培しています。
「中学の頃から農業へ憧れていました。地元のアンテナショップで吉賀町の有機野菜を見かけ、興味を持ったのがきっかけです。栽培技術については、地域の方々に教えてもらいながら学びました。毎月2回開催される「有機農業塾」にも積極的に参加をして勉強をしています。農地については、地域の耕作放棄地を少しずつ借りて広げていきました。またリタイアされた農家の土地も借りています。就農して間もない時期は、アンテナショップに野菜を運搬するアルバイトもしていました。吉賀町の有機農業は、地域で40年の取り組みがあります。だからこそメリットもあると強く感じています。人に恵まれ、地域をあげての有機農業を共に支え、自分が作る野菜を“美味しい!”と自信を持って言えるようになりました。農業は、一年一年の積み重ねです。迷っていたらまずは一歩踏み出す事が大事です。」と語っていただきました。
現地中継では、吉賀町柿木村にある三浦さんのハウスからお伝えしました。三浦さんは、施設野菜を中心に吉賀町内でも先駆的に有機農業に取り組んでおられる方の一人です。野菜類は全て無農薬、無化学肥料で栽培されています。経営規模は、露地20a、ハウス40aで、ニラ、春菊、トマトなど年間10種類の野菜を栽培しておられます。
では、ハウスの中へ入ってみましょう。ニラが植えられています。いい香りがします。
Q どのように栽培品目を決定しましたか?
A 時期に適したものを選択しています。
Q 病害虫の対策の対策として、特に気をつけている点を教えてください。
A 作物は、土が良くないと元気に育ちません。元気だと病気に強くなります。そのために土作りにとても力を入れています。
Q 土作りは、どのようなものを使っていますか?
A 堆肥は、牛鶏糞を使用せず、ヨシや籾殻を一年おいて乾燥させて有機物を補給しながら栽培しています。
Q この畑の土質や、管理方法について教えてください。
A 当初は田んぼでした。堆肥を入れて土づくりを重点して行うことで、最初1年~2年は、納得したものが作れなかったですが、徐々に思うようにできるようになりました。
Q 栽培技術は、どこで勉強しましたか?
A 先輩に教えてもらいながら、一緒に勉強をして自分のものにしていきました。
Q 有機農業に取り組まれて、良かった点や苦労されている点を教えてください。
A 虫や病気の防除が出来ないので、信念を持ってしなければ難しいです。
Q 新規就農を考えているみなさんに特に心がけて欲しいことがあれば教えてください。
A 田舎は人付き合いが多いので、人付き合いが煩わしいと思うと暮らしていくのは難しいと思います。また、土地や家を貸してもらう上でも地域との繋がりは欠かせないので覚悟を持って移住をして欲しいと思います。
Q 吉賀町で一緒に農業を目指す方へ歓迎の声をお願いします。
A 有機農業は、決して難しいものではありません。来られた際は、何でも教えますので、共に有機農業で接しながら色んな事を勉強しながらやっていきましょう!
インタビュアーをしていただいた島根県の渡利さんが、三浦さんのニラを使った餃子などの料理で美味しさをPRしてもらいました。
参加者のみなさんからの質問タイム
Q 農地の確保はどのようにしましたか?
A 借家を紹介してくれた同じ地域の方から、空いている畑を紹介してもらいました。
Q 忙しい時期のアルバイトはありますか?
A 通年を通して雇用している法人は現在ありません。忙しい時期のみに限られます。
以上、吉賀町の就農情報をお届けしました。!