第9回 7月25日(日) 邑南町 ぶどう編

邑南町は、島根県の中部に位置する中山間地域です。標高は、100m~600mくらいで、昼と夜の気温差があり、水もきれいなので美味しい農産物ができるところです。今この地域で生産拡大されている「ぶどう」についての就農情報をお届けしました。

 


中継スタジオ(邑南町役場)から、邑南町役場の山根さん、土居さん、おーなんアグサポ隊の日向さん、石井さんと一緒にお伝えしました。
産地概要、栽培の取り組み、産地の特徴を邑南町役場の山根さんより説明産地ツアー邑南町説明資料(PDF)

 

邑南町は、県オリジナルぶどう“神紅(しんく)”の栽培に取り組みはじめました。神紅は、2018年に島根県で開発された島根オリジナル品種で、ぶどうとしては、珍しい赤味の強い色をしています。香り、甘みもあって皮ごと食べられます。人気のシャインマスカットの赤色バージョンといったいったところです。邑南町の神紅が日本一の産地になるように目指しています!

 


現地中継では、6年前から25aのシャインマスカット栽培に取り組んでいる寺本さんの畑から作業の様子を見せていただきました。
これが「玉直し」です。ぶどうの粒を動かして見た目をきれいにする作業です。ぶどうを一粒取り、そのすき間を埋めていくようにぶどうを動かしていきます。縦のラインを意識します。この作業を行うことで、見た目が良くなり、ぶどうの値段も変わります。

 


次に「摘心(てきしん)作業」です。枝の先端から伸びてきた葉をはさみで切ります。栄養がぶどうの房に行き届くようにするためです。この作業は、多いときで一週間に一回のペースで行います。

 


これは「誘引(ゆういん)作業」です。誘引専用の器具で枝を棚線に固定します。葉が重なってしまうと効率よく光合成ができなかったり、農薬がかからなくなり病原菌の発生につながってしまうので、枝をきれいに並べます。

 


作業の様子を見せていただいた、園主の寺本秋穂さん(左)です。寺本さんは、お父様が農業をされていたことで、あこがれをもちこの道へ。大田市の農林大学校で2年間、座学と技術を学び卒業後に独立就農を果たしました。JAの協力により農地を確保し、動噴機、運搬車、草刈機等は徐々に購入。ハウスについては、自己資金と補助金を利用しました。「邑南町は、中山間地域で昼夜の寒暖差があるので品質のいいぶどうができるところが魅力」と語っていただきました。

 


おーなんアグサポ隊の研修生から制度の魅力、今後の目標についてお聞きしました。
石井さん(左)は、広島からIターンし研修2年目。「ぶどう栽培の技術を学びながら、研修終了時に就農予定地の育成もできるなど安心して就農できる。目標は、30aの作付面積から規模拡大し、農業所得1千万目指して頑張りたい!」と力強く語っていただきました。
日向さん(右)は、大阪からIターンし研修2年目。「農業のことに関しては素人、農林大学校の授業では、学びが多く、とてもためになっている。目標は、リースハウス事業を使い独立就農し、農業所得1千万目指したい!」と語っていただきました。

おーなんアグサポ隊 概要、募集チラシ(PDF)

 

参加者のみなさんからの質問タイム
Q 農業所得で生計はたてられるでしょうか。
A 生計が安定するまでの生活費、運転資金は重要。相応の資金が必要です。

Q アグサポ隊を終了して、就農時にリースハウス事業を使って建設時の敷地面積、建設場所などは自分で選ぶことができますか?
A 相談に応じながら進めていきますが、農地の許認可の問題や立地条件などがあるため、希望に沿えないことがあります。

Q 動物、病害虫、災害の被害状況とそれに対する障害保険については?
A 小動物等の被害については、テンやイタチ、カラスの被害もあります。防止策としては、電柵のネット、大きなネットの設置をしています。
病害虫については、袋をかけていないぶどうに雨がかかり、そこから病気が発生するケースや葉の裏に病気が発生するケースがあります。
邑南町は雪が多いため、ハウスのビニールを貼りっぱなしにしていると、雪の重みで潰れてしまうことがあるので、雪時期はビニールを撤去することが必要です。
障害保険は、収入保険に加入し、ハウスに対しても保険をかけています。

Q 販売については?
A 8割がJA、2割が道の駅、スーパー、お菓子屋さんなどの直売です。