第17回 5月22日(日) 出雲市 アスパラガス編

 

左から出雲市役所の高木さん、出雲市でアスパラガス栽培を行っている神田さん、JAしまねの野中さん、司会は公社高橋のメンバーで、島根県出雲市のアスパラガスの就農情報をお届けしました。野中さんより、アスパラガスの産地概要について、栽培の魅力やスケジュール、気になる栽培の経営のモデルなどを含めてお聞きしました。

アスパラガスは、一度植えると収穫が10年以上可能、令和3年からは香港へ輸出開始できるほど出荷体制や販路が確立されていること、また近年、若い方の新規就農者が増加しているなど、まだまだ急成長真っ只中の産地です。

出雲市の高木さんからは、出雲市で農業をしたいと考えたときにどのようなスケジュールになるかということをお聞きしました。

※産地ツアー出雲市説明資料(PDF)

 

実際にアスパラ栽培に取り組まれている神田さんにお話を伺いました。神田さんは、神田農産という法人を経営され、現在アスパラガスほか、ホウレンソウやネギなど色々な野菜を出荷しておられます。

Q アスパラガスをどのくらい栽培してますか?

A 大小のハウスで24aの規模で栽培しています。

Q 色々な品目の栽培に取り組まれていますが、その中で、アスパラ栽培の強みを教えてください。

A 一度植えると翌年からの植付作業はなく、管理中心の作業になります。収穫も3月から10月の上旬までの長期にわたって収穫ができ収入を得ることができます。

Q 苦労している点は?

A 夏場の立茎後の管理はとても大変です。虫や病気に注意が必要です。冬場まで青い状態を保つことができれば、その年の出来はいいということになります。

司会 「なるほど!今年の夏場の作業の状態で来年の春の出来栄えが決まるんですね!」

Q これからアスパラで新規就農を考えているみなさんにアドバイスや知っておいて欲しいことがあれば教えてください。

A 一人で農業をするのではなく、我々部会の仲間と一緒になって新規就農者の方と栽培をしていけたらと思っています。1人では難しいこともあります。そうした中で部会員を頼りにしてやっていただきたいと思います。

Q 出雲アスパラガスの生産部会では、若手同士の交流がありますか?

A 部会組織の中に青年部があり、情報交換、懇親会などで交流を行っています。

Q JAしまねアスパラガス部会ではどんな人を求めているのか、歓迎の声と合わせてお願いします。

A 新規就農者のみなさんと部会のメンバーとともに元気に栽培していただける方を求めています。

 

現地中継では、出雲市高松地区にある畑から、島根県東部農林水産振興センター角さんのリポートでお伝えしました。園主の今若さんです。今若さんは、平成25年に新規就農され、現在は50aの栽培に取り組んでおられます。後ろのハウスには、アスパラガスの親株が青々とした姿をしています。

   

今若さん:こちら、下からニョキニョキと伸びている新芽が私たちが普段食べているアスパラの商品になります。現在は立茎の作業をしています。青く葉がしげってきたので、余分な葉を剪定しています。

持っている棒は、出荷規格になるよう参考にするための物差しです。これをアスパラガスにあてて根元から土がつかないように切ります。

Q すごくきれいな畑である印象を受けるのですが、出荷できないアスパラガスなどは発生するのですか?

A なるべく長くなる前に収穫をしてしまうことで、余分な養分を悪いアスパラガスにいかないように心がけています。

Q 就農したきっかけをおしえてください。

A もともとスーパーで野菜の仕入れを行っていました。そこで野菜作りに興味を持ったことがきっかけです。

Q 農地や機械設備はどうやって確保しましたか?

A アスパラガス栽培で1番お金がかかるのがビニールハウスです。ハウス建設時にかかる補助金などをうまく活用しながら、手出しの部分は借入をしました。

Q 栽培技術はどこで勉強をしましたか?

A 先輩農家のもとで一年間の研修をし、それ以外でもJAや県の普及員の方に指導をしてもらいながら技術を身につけました。

Q 大変なこと、良かったこと、また今後の抱負について教えてください。

A 収穫は半年間あるのでその間の休みはありません。その反面、売上が安定してとれる作物であるということは良い点です。

もともと30aから開始する計画でした。でもやってみるとまだできる!と思い50aに規模拡大しました。これらかは、雇用、法人化を視野に入れてもう少し拡大していきたいと思っています。

Q JAしまねアスパラガス部会へ就農する歓迎の声をお願いします。

A JAアスパラガス部会は、もとからの農家よりも他業種からの参入が多く比較的簡単な作物です。その上経営的にも安定しているので、ぜひ取り組んでみられると良いと思います。

 

    

ここからは、出雲市でアスパラで就農する場合の農地取得プロセスを県農業経営課の小林さんより色々と伺いました。

農地の取得手続きや制度、確保にいたるまでのスケジュールについて、事前にJAしまね出雲アスパラガス部会の部会長に取材をした内容をもとにみなさんに説明しました。

内容の要約は下記PDFよりご覧下さい。

※出雲市のアスパラガス栽培の農地確保(PDF)

※出雲市のアスパラガス栽培の農地確保スケジュール(PDF)

 

参加者のみなさんからの質問タイム

Q  アスパラガス栽培は女性でも可能でしょうか。

A アスパラガスは、一度植え付けをしたら10年から20年同じ株で栽培ができます。なのでその20年分の堆肥を初年度に投入する必要があります。その作業はとても体力、労力がいる作業なので、その作業での労力の確保ができれば、その後の作付けから定植の作業からは女性1人でも可能です。

Q アスパラガス栽培の参考となる就農モデル(経営面積40a・農業所得467万円)とありますが、もう少し稼ぎたい!と思った時の経営方法を教えてください。

A アスパラガスのみでやりたい場合は、面積が必要になります。また、冬場は比較的作業が落ちつき手が空くので、例えば白ネギなどの栽培で冬場の収入を得るなどのやり方で利益を上げる方法があります。

Q 砂地での栽培は可能ですか?

A 砂地での栽培は問題なく栽培可能です。適用地が広いのでどこでも大丈夫です。

 

以上、出雲市のアスパラガスの産地から就農情報をお届けしました。しまね農業体験プログラムでのご来県をお待ちしています!