島根県西部に位置する浜田市。田舎暮らしが満喫できる上、生活利便性、流通網も良好なところです。浜田市のぶどうは、『いわみ中央ぶどう部会』という組織が産地を担っています。近年、リースハウスや集出荷場の整備などが進められ、新規就農者がどんどん誕生しており、産地は大変活気づいています。

 

中継スタジオからは、産地概要、栽培方法、就農の流れをJAの清本さん(右)から、また浜田市の独自の農業研修制度について、浜田市の川邊さん(左)から説明していただきました。

オンライン産地ツアー浜田説明資料(PDF)

 

スタジオゲストのぶどう農家の中下さん(左)です。中下さんは、就農12年目。家が農家で子どもの頃から生活の中に農業があったので自然と興味をもちました。農業系の高校を卒業後、県内農林大学校の果樹科で2年、ぶどう農家で研修を1年、20歳でスタートさせました。

Q 農地や機械設備の確保は?

A 機械については、軽トラと動力噴霧器を購入、設備については、当時はリースハウス事業がなかったので、資金を借り入れてハウスを建てました。

Q ぶどうが成園化するまでの未収益期間はどのように生計をたてましたか?

A 実が採れるまで3年から5年の間は、元々あった畑で野菜等を作り販売したり、農業外のアルバイトもしながら収入を確保していました。

Q 就農を考えておられる方へのメッセージをお願いします

A 自分の事のように思って作物を育てること、日々観察をすること、作業を先延ばしにしないことが大切です。

 

現地中継では、大阪からIターンして4年前から35aのぶどう栽培に取り組んでいる西川さんにインタビューをしました。植え付け4年目のピオーネの園地からです。農業を始めたきっかけは、サラリーマン時代に体調を壊したことで健康第一と考えるようになり、農業という仕事を模索していた所、農業人フェアで浜田市のことを知り、とても良い師匠に巡り会えたことで、気持ちが固まりました。

Q ぶどうを栽培品目に選んだ理由は?

A じっくり一つのことに腰をそえてできる品目だと感じました。

Q 農地や機械はどのように確保しましたか?

A 農地は師匠と一緒に探しました。行政が貸してくれる団地の農地が空いており、信頼もあったので決めました。機械は防除機を購入しました。

Q 収穫できるまでの生計はどのように?

A ぶどうの育成期間はしっかり専念し、冬場は日本酒作りのアルバイトをしています。

Q 栽培を始めて良かった点や苦労している点は?

A お客さんとの交流、産直市での反応「美味しい!」の一言に尽きます!

就農を考えておられる方へのメッセージ

「農業というものがどういうものが分からない中、踏み出すことが難しいと思いますが、思い切って本気で取り組めば、これまで得ることができなかった充実感もあり、やってよかった!と感じています。」

スリップスの虫害にあったぶどうです。強風の際、ハウスの上部のビニールが破れていた所から鳥が侵入し、鳥に食べられたことでこのような状態になったぶどうもあります。

副梢整理での様子を見せてもらいました。枝を切ることで栄養を十分に行き渡らせる重要な作業です。

 

参加者のみなさんからの質問タイム

Q 女性一人でも大丈夫ですか?

A 大丈夫です。県内でも女性一人でぶどうの農家として独立して経営されている方もいます。また、ぶどうの作業は比較的重労働が少なく、泥まみれにならない仕事、また手先を使う作業なので女性に向いていると思います。

Q 車、免許は必要?

A 移動の際、運搬等必要になります。また、浜田市のふるさと農業者研修制度を受けるためには、普通免許(MT)を取得していることが要件となっています。

Q 浜田市における研修制度について、ぶどう以外の品目でも可能ですか?

A 可能です。振興品目である西条柿や有機野菜もあります。

Q 支援策を受けようと考えた時に50歳以上でも大丈夫ですか?

A 国の農業次世代人材投資事業については、就農時原則50歳未満が対象です。島根県においては、50歳以上の方を対象とした補助金の制度がありますが、助成内容が十分ではないので、事前に資金を用意しておくことをおすすめします。

Q 販路については?

A 基本的には、大半がJAの共販出荷です。規格外のものについては、産直等の直売になることもあります。

Q 冬場の作業が少ない時に2週間くらい旅行等に出かけても大丈夫ですか?

A 2週間くらいであれば大丈夫です。

 

以上、浜田市のぶどう産地から就農情報をお届けしました。しまね農業体験プログラムでのご来県をお待ちしています!